お正月におせち料理やお雑煮を食べるときは、「祝い箸」を使っているのではないでしょうか?紅白の包み紙で「寿」などの文字が書いてあって、いかにもおめでたいという感じがしますよね。
でも、なぜお正月には、「祝い箸」を使うのでしょうか?なぜ、祝い箸はあんな形になっているのでしょうか?あらためて考えてみると、知らないことがいっぱいですよね。
そんな、知っているようで実は知らない「祝い箸」。では、今回は、祝い箸ついてひも解いてみましょう。
1.祝い箸ってなに?
祝い箸とは柳の木から作られているお箸で、箸の長さは24cm(八寸)となっています。また、普通の割り箸と違って、使い捨ての箸ではありません。
元旦から松の内まで同じ箸を自分で洗い、使い続けます。処分も自宅でするのではなく、「お焚き上げ」の際に一緒にしてもらうといいと言われています。
また、24cmという長さには意味があり、八寸の「八」の漢字が末広がりで縁起がよく、縁起をかつぐために24センチ(八寸)になったと言われています。
また、箸の真ん中が太くなるように削られているのも特徴です。
祝い箸には、いろいろな種類がありますが、おせち料理を食べるときに、「両口箸」を使います。両口箸は両端が細く中程が太くなっています。
これは、一方は自分用、もう一方は神さま用となっているからなのです。
神様と一緒のものを自分も食べて神様との一体化を図ることは、日本に古くから伝わる神様に供物をそなえ、それを共に食べるという「共食」の考えに基づいています。
まさに、おめでたいお正月に使うのにぴったりの箸なのです。
2.祝い箸の種類
「祝い箸」とひとくくりで言われがちですが、実はいろいろな呼び名があるのです。
同じお箸でも、呼び名がいくつもあり紛らわしいかもしれません。
しかし、呼び名がいくつもるということは、日本人の生活に深く関わってきていたとい証拠なのかもしれませんね。
1.両口箸
祝い箸の両側の先端が細くなっていることから付いた呼び名です。
片側は人間(自分)が食べるため、もう片方は神様が食べるのに使うためとされています。
2.柳箸
柳箸は主に柳の木が使われていることから付いた呼び名です。柳は邪気をはらうものとされていることからもお祝い事にぴったりの素材です。
「家内喜(やなぎ)」の語呂合わせで、縁起を担ぐためとも言われています。
3.俵箸
祝い箸の中央のふくらみが、米俵のように見えることからついた呼び名です。
また、中央がふくらんでいる見た目から子孫繁栄を願った呼び名もいくつかあり、はらみ箸・腹太箸・太箸などと呼ばれる場合もあります。
3.まとめ
今回はおせち料理を食べるときに欠かせない祝い箸についてひも解いてみましたが、いかかでしたでしょうか。
祝い箸にはたくさんの呼び名があり、その一つひとつの呼び名には込められた意味があることをお分かりいただけたでしょうか。
祝い箸からは、いかにも日本人らしいきめ細かな心配りを感じることができますね。
ご家庭で新年を祝う際には、おめでたい祝い箸を使って美味しいおせち料理を食べたいものですね。